となりのトトロ・千と千尋でおなじみジブリ、実は155億円で日テレの子会社になっていました

世界的ヒット作を25作品以上、合計興行収入は1,600億円以上!

2023年、155億円で日本テレビホールディングスがそんなスタジオジブリをM&A。

一体なぜ、ジブリは子会社化を決断したのか?背景と日テレのM&A戦略についてサクッとまとめます。

この記事を監修した人:福住優(M&A情報館 代表取締役)

①ジブリならではのコスト構造

ー優秀なクリエイターの確保

ー大規模な広告宣伝費

・「僕たちはどう生きるか」では一切の宣伝をストップしたことが話題

・従来は、広告の絵柄を毎週変える(千と千尋の神隠し)など、“宣伝手法“においては一貫して注力。

★ユーザーがジブリのクオリティを知覚する瞬間を制作→宣伝→本編の一連のサイクルに散りばめている

②半永続的な組織の実現

ーカリスマ的な存在、宮崎駿監督の高齢化(当時:82歳)

ー有望なクリエイターの独立

★これまでも日テレはジブリに出資実績があり、宮崎駿監督の想いを汲み形にする組織を構築

③膨大なコンテンツの管理体制

ー制作プロセスでは「企画書・絵コンテ・原画・動画・アフレコ素材」などデータが膨大

ー膨大な知的財産の管理体制をより体系化

★映像制作事業で日テレが所有するコンテンツIPの管理体制を活用し、より制作プロセスの再現性を高めることも期待される

日テレのグループに参画することで、経営と制作の役割を明確に分割し、スタジオジブリはより安定的で高品質なコンテンツの継続供給を進めることができる。

ちなみに、日本を代表する車メーカーのホンダは、製造・開発に長けた本田代表と、営業・財務に長けたNo.2の藤沢氏が役割を明確化させたことで飛躍を遂げた歴史がある。

リソースの最適化を図ったという視点で非常にポジティブなM&Aだったのではないか。

日テレ側としても

✔︎コンテンツを基点とした生活者接点の最大化

✔︎海外展開を軸としたアニメ事業強化へのシナジー創出

✔︎リアル店舗(ジブリパークなど)と映像事業との架け橋の構築

という点でスタジオジブリを迎え入れる理由は多くあったと認識している。

意外と知られていない民間放送局のM&A。

今後も注視していきます。

参考資料
▼日本テレビによるスタジオジブリの株式取得に関するお知らせ
https://ntv.co.jp/info/pressrelease/docs/20230921.pdf
▼日本テレビホールディングス 中期経営計画2022-2024
https://ntvhd.co.jp/ir/library/management/pdf/2022_2024.pdf
▼日本テレビホールディングス 2023年度決算説明資料
https://ntvhd.co.jp/ir/library/presentation/pdf/20240509.pdf

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